校長挨拶

「本当にやりたいことが見つかる学校」

「大切なことを経験を通して学べる学校」をめざす

『次世代教育探究プロジェクト』が

新たなステージへの一歩を踏み出しました

校長  石原 勉

ごあいさつ

皆さんは、ウェルビーイング(Well-being)という言葉を聞いたことがありますか。

幸せで、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。人の生き方全体に関わるキーワードで世界的にも注目されている考え方です。

皆さん一人一人のウェルビーイングな人生につなげるために本校で何ができるのかを考え、4年前に始まったのが『次世代教育探究プロジェクト』です。

人生100年時代、皆さんは、高校を卒業した後、80年余りの人生を生きることになります。そのような長い人生だからこそ、自分の好きなことや得意なことを生かして「自分らしい人生」を送ることがウェルビーイングな人生につながると考え、次のスクールミッション(学校の使命)を定めました。

【スクールミッション】自分らしい人生を実現するための資質・能力の育成

この資質・能力とは、創造的思考力と社会人基礎力(前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力)と考えています。そして「本当にやりたいことが見つかる学校」「大切なことを経験を通して学べる学校」をめざす学校像とし、次の3つの取組に重点を置いています。

【奈良女子×ICT活用】

校内にWi-Fiを完備し、一人一台のiPadを授業や部活動などあらゆる場面で活用しています。生徒たちは道具として使いこなしており、以前の授業ではできなかった多様で深い学びができるようになってきました。

【奈良女子×探究活動】

NPO法人カタリバと連携した「マイプロジェクト」や学校設定科目「NJ SDGs」などの探究活動を通して、周囲に興味を持ち、自ら課題を見つけ、学び、考えて、判断し、主体的に問題を解決する経験を重ねています。こうした経験を通して身につく力は、教科の学力に加えてこれからの社会でより必要とされる力です。

【奈良女子×産学・地域連携】

昨年度は、パテシェール選択とデザイン選択の協同で阪神百貨店での販売活動が実現しました。このように本物に触れて学ぶ経験は一生持ち続けられる確かな学びとなります。このような産学・地域連携をさらに進めていきたいと考えています。

以上のような取組を始めて3年が経過しましたが、本校の3年間で自分のやりたいことを見つけ、いろいろな経験を通して学びを深め、進路につなげていく生徒が増えてきています。

皆さんも奈良女子で「自分らしい人生」を送れるようにともに学びませんか。


建学の精神

奈良女子高等学校のルーツは、1893年(明治26)年に開かれた私塾「正気書院」です。創立者の越智宣哲(おちせんてつ)は、「敬身、敬学、敬事」を建学の精神とし、明治の近代化に貢献するため、新しい時代を担う人材を育成しました。宣哲は生徒に向けて、「目標に到達するには、始終小さいことに気を付けて、五つの間違いは三つに減らし、三つの間違いは一つに減らすというようにすることが肝要である」と話しています。この「敬学」の精神は、諦めさせない進路指導や学習支援、『次世代教育探究プロジェクト』の推進などの根底にあるもの。これからも一人ひとりが才能ややりたいことを見つけ、自分らしく生き生きと力を伸ばし、未来へとつなげる学校でありたいと考えています。